まぶた関連

まぶたの痛みや腫れ、まぶたが下がって見えにくいなどのお悩みは
我慢せずにご相談ください

 

まぶたの役割

 

まぶたには大きく2つの役割があります。まずは眼球を守る役割、そして顔の表情を演出する役割です。まぶたの動きが作り出す目つきは、時に言葉と同じくらいの強い印象を周囲の人に与えます。
近年では病気の治療において、悪い部分を治すだけではなく「生活の質(QOL)」も重視して取り組まれています。まぶた関連の治療においても、眼球を保護する働きの維持・改善はもちろんのこと、表情を作る役割にも配慮が求められ、時にはそれがお一人おひとりのQOLを左右することもあるのです。
また、まぶたの病気に気付いていないケースも少なくないため、病気を診断し治療することで、より快適な生活を送ることができるようになります。

 

代表的なまぶた関連の病気

 

痛みや腫れが伴うものには「麦粒腫(ものもらい)」や「流行性角結膜炎(はやり目)」、まぶたが下がり目がしっかり開けられない「眼瞼下垂」、まぶたが内側に反り返る「眼瞼内反」、逆さまつげとも呼ばれる「睫毛内反」などがあります。

 

麦粒腫(ものもらい)

まぶたの分泌腺に細菌が感染して起こる化膿性の炎症です。ものもらいになりやすい体質の方もいらっしゃいますが、まぶた周辺を不潔な手で触らないほか、疲れが溜まっていると悪化しやすいため、よく休息をとるなど対処しましょう。

代表的な症状

まぶたの一部が赤く腫れ、まばたきをしたり患部を押したりすると痛みがあります。目やにが出てまぶた全体が腫れ、リンパ腺まで腫れが広がるケースもあります。

治療について

・抗生物質の点眼や内服
一般的な治療は抗生物質の点眼ですが、症状が強い場合は内服を行うことがあります。

・小手術
化膿が進んでいる場合は小切開で膿を取り出すことがあります。

流行性角結膜炎(はやり目)

アデノウイルスの感染によっておこる結膜炎です。感染力が強く、流行性角結膜炎の人が目を触った手で触れたものを触り、他の人がそれに触って目をこするなどすると高確率で感染します。タオルなどを介して感染することもありますが、空気感染はしません。

代表的な症状

目やにが多く出たり、充血したりします。病状が重い場合は黒目(角膜)に傷がつき、目がしょぼしょぼする、異物感、光がまぶしいなどの症状が起こります。

治療について

・点眼
他の細菌の感染を防ぐための抗生物質の点眼や、炎症を抑えるための低濃度ステロイド点眼などを使用します。
現時点ではウイルスに効く薬はないため、抵抗力を高めるために十分な休息や栄養をとることが重要です。

眼瞼下垂

まぶた(眼瞼/がんけん)が開きにくく、垂れ下がる(下垂/かすい)する病気です。原因には先天性と後天性のものがあります。
先天的にまぶたを上げる筋肉のつくりが不良で、幼少期からまぶたを上げにくい場合は先天性眼瞼下垂です。後天的なものには、加齢によってまぶたを開く筋肉の付着部が伸びてまぶたを上げにくくなっている場合や、皮膚弛緩によるもの、麻痺性や自己免疫疾患の重症筋無力症などでも眼瞼下垂は起こります。

代表的な症状

まぶたが重い、遠くのものを見る時にあごを上げるといった症状が見られます。重症になると視力に影響を及ぼしたり、顔のほかの筋肉を無理に使ってまぶたを開けようとするため、顔のゆがみや強い疲労感を引き起こします。

治療について

・手術療法
まぶたを開ける筋肉の働きがある程度残っている場合は、この筋肉を短縮する手術を行います。

眼瞼内反

加齢とともにまぶたを支えている筋肉や靱帯が緩むことにより、まばたきをするたびにまぶたが内側に向いてしまい、まつ毛が黒目(角膜)に当たることで、目の痛みや目やになどの不快な症状が出る病気です。

代表的な症状

角膜の表面が傷つくために、目の痛みや異物感を強く感じるほか、目やにが出るなどの症状が現れます。

治療について

・手術療法
症状に合わせて手術の方法を選択します。糸をまぶたの中に埋め込むことでまぶたの根元を外側に起こす「埋没法」、皮膚と皮下組織を切除して瞼板に縫い付ける「切開法」、ご年配の方の下まぶたに行う「眼輪筋短縮術」などがあります。

睫毛内反

まつ毛が眼球側に入り込んでくる、いわゆる逆さまつげのことです。まぶた自体は内反していない点で眼瞼内反と区別されます。

代表的な症状

角膜や結膜が傷つくため、眼瞼内反と同様に目の痛みや異物感を強く感じるほか、目やにが出るなどの症状が現れます。

治療について

・手術療法
乳幼児に多く見られるため、成長とともに自然に改善されるケースがほとんどです。しかし、成長しても軽快しない場合、角膜や結膜に障害が起きそうな時は、まつ毛が眼球に触れないようにするための手術を行うことがあります。